ショートニングの毒性について

よく巷では、ショートニングが不健康食品の代名詞として、使われることが多々あります。果たして、ショートニングには、健康を害する毒性があるのでしょうか?

 

ショートニングとは、動物性油や植物性油を原料としたクリーム状の食用油脂のことです。

洋菓子パンなどには、ショートニングがよく使われています。これは、パン生地を捏ねた時にできるタンパク質の膜(グルテン)の間に加えたショートニングが入り込んで、生地の伸びが良くなり、水分の蒸発を防いでくれるからです。焼き上げたパンは、ふっくらと焼き上がり、時間が経っても、固くなりにくく、翌日でも美味しく食べることができる作用をショートニングがもたらしているからです。

 

また、ショートニングは、無味無臭のため、素材の香りを活かしたい時に重宝します。

パン・ケーキ・クッキーでショートニングを使う用途として、サクサク感やカラッとした食感を与えるために使います。ショートとは、英語でサクサクした食感を意味します。

日本語に訳すと、ショートニングは、サクサク油ということになるでしょう。

では、ショートニングが危険とされるのは、トランス脂肪酸を含んでいるからです。

トランス脂肪酸は、狂った油とか、食べるプラスチックなどと呼ばれています。

トランス脂肪酸は、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させます。さらにHDLコレステロール(善玉コレステロール)を減少させます。このことは、冠動脈疾患のリスクを上げることを意味します。

2003年世界保健機関(WHO)と食料農業機関(FAO)は、

「心臓血管系の健康増進のため、食事からのトランス脂肪酸の摂取を極めて低く抑えるべきであり、最大でも一日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満とすべき」勧告を提唱しました。

2006年には、米国ニューヨーク市で、レストランでのトランス脂肪酸禁止を通告し、日本でもトランス脂肪酸の規制へと動きました。

農林水産省でも、トランス脂肪酸の危険性や摂取にあたっての留意事項を公開しています。

すぐにわかるトランス脂肪酸 農林水産省 公式ホームページ

なるべくショートニングを食べない食生活を心がけることが、脂質由来の病気の発症を抑えられることになります。

ショートニングを含んでいないクッキーも市販されているので、間食のお菓子選びにも留意すると良いでしょう。